未確認飛行物体の科学的研究
(コンドン報告)第3巻

UFOの歴史と科学



未確認飛行物体の科学的研究(コンドン報告)第3巻――UFOの歴史と科学
エドワード・U.コンドン監修
仲間友紀 金田朋子 内山英一 共訳
発行 ブイツーソリューション 発売 星雲社
2005年 220ページ B5並製 本体価格 \4,800
ISBN4-434-05903-3 C3044

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 内容紹介

 本書はUFOの研究に不可欠な知識を余すところなく提供している。
 第5部第1章は神話の時代にまでさかのぼったUFOの歴史的背景を取り上げている。第2章は戦後の米国UFO史を本プロジェクト責任者コンドン博士の視点で編集したもので、特にコロラドプロジェクト発足以降の記述は詳細。第3章は米国以外の各国でのUFO研究の現状(1960年代後半当時)がどうなっているかを調査したもの。
 第6部はUFOの誤認の可能性を検証するのに欠かせない、様々な科学的知識(知覚〜報告に至る各過程、目撃報告に影響する心理学的要因、蜃気楼、レーダー他各種観測機器、ソニックブーム、プラズマ、統計分析等)を各分野の専門家が詳しく紹介している。
UFO研究に必須の背景知識を網羅した、歴史に残る名著。
 詳細は下記目次およびそのリンクページ参照。

 



  目次


第5部 歴史的見地から捉えたUFO現象

UFO現象の研究は、その研究の背景にある歴史的・国際的状況を示さなければ完全なものとはならないであろう。次の三つの章では、有史時代をたどって1947年に至るまでの事象を考察し、UFOが激しく活発化しているこの20年間を振り返り、諸外国ではUFO現象の公式な研究がどの程度行われているのかを概説する。


 第1章 歴史に記されたUFO   サミュエル・ローゼンバーグ
   1.序
   2.古代の宇宙の理論
   3.古代の虹の理論
   4.UFO書籍
   5.“古い時代”のUFO報告
   6.バイランド大修道院での目撃
   7.ジヤンの書
   8.トゥリ教授のパピルス文書(トゥリ・パピルス)
   9.結論
     参考文献

 第2章 UFO事例 1947〜1968   E.U.コンドン
   1.最初の調査活動:プロジェクトサイン
   2.プロジェクトグラッジ/初期の雑誌記事と本
   3.ロバートソン査問会
   4.UFO報告に関する規則
   5.“直線のミステリー”オーソテニー
   6.オブライエン報告に至る経緯
     ブライアン・オブライエン博士
     ローナー・F.カーター博士
     ジェシー・オーランスキー博士
     リチャード・ポーター博士
     カール・セーガン博士
     ウィリス・H.ウェア博士
   7.コロラドプロジェクトの発足
     参考文献

 第3章 諸外国の公式UFO研究プログラム   ハリエット・ハンター
   
   カナダ
   イギリス
   スウェーデン
   ソ連
   デンマーク
   その他の国々
   国際連合




第6部 実行可能な科学的分析

この部では、各分野において著名な専門家からの寄稿を取り上げる。各専門分野の科学知識を、できる限り余すところなく提供していただいた。これらはUFO現象を研究し理解する一助となるだろう。


 第1章 知覚の問題   マイケル・ウェルトハイマー
   1.最初の事象
   2.伝達過程
   3.近刺激
   4.神経の符号化:感覚
   5.知覚
   6.認識
   7.報告
   8.評価
     参考文献

 第2章 知覚,発想,報告の過程   ウィリアム・K.ハートマン
   1.序
   2. 知覚:物体と大気現象
   3.発想:ゾンドYの破片の大気圏再突入
   4. 目撃者の発想:タイタン3 C-4 の破片の再突入
   5.目撃者の発想:1913年2月の大火球
   6.知覚と発想に関する付言
   7.報告
   8.報告:信頼できる“フライングソーサー”の数
   9.結論
     参考文献

 第3章 UFO報告の心理学的側面   マーク・W.ライン
   0.序
   1.現実の刺激を誤認したことによる誤り
   2.現実ではない刺激を現実と知覚する誤り
   3.意図的な偽証
   4.群集効果
   5.医学的,心理学的手法
     参考文献

 第4章 蜃気楼 ウィリアム・ヴィジー
   1.序
   2.調査した文献のリスト
     分類1:記述的な説明
     分類2:提案されている理論
     分類3:理論と観察
     分類4:気象学や測量学,水路学への適用
     分類5:大気屈折の平均値
     分類6:シンチレーション
   3.光の屈折の基本的な物理概念と大気の変数
     A.一般原理
     B.大気の光学屈折率
     C.スネルの屈折の法則
     D.大気層の部分反射
     E.大気の屈折率の空間的変化
     F.蜃気楼の形成を促す気象条件
   4.雲のない大気中での光屈折現象の視覚的特徴
     A.総論
     B.蜃気楼の特徴
     (1)光線の入射と見え方の幾何学
     (2)蜃気楼像の数と形
     (3)集光と干渉の効果
     (4)白色光の色成分の屈折による分解
     (5)大気のシンチレーション効果
     C.エアロゾル粒子による光散乱
   6.最先端技術の知識の評価
   7.結論
     A.気象条件
     B.光の屈折の幾何学
     C.形と色
     D.現時点で不明確な点
     参考文献

 第5章 レーダーおよびUFOのレーダー観測   ロイ・H.ブラックマー・Jr.
   1.序
   2.レーダーシステム
   3.レーダーの基礎
   4.システムの信頼性
   5.エコーと目標の関係
   6.信号の発生源
     降雨
     航空機
     鳥と昆虫
     人工衛星と宇宙のゴミ
     イオン化現象
     気球
     チャフ,ウィンドウ,ロープ
     煙
     遠方の地上反射とエンジェル
     電磁障害雑音
     ローブと反射
   7.レーダーエコーを識別目標とするための評価
     目標速度
     目標の強度と変動
     他の目標と比較した挙動
   8.結論
     註
     参考文献

 第6章 ソニックブーム   ウィリアム・ブルーメン
   1.序
   2.ソニックブームの発生
   3.ソニックブームの伝播における大気の効果
   4.デザインの改良と機動
   5.コメント
     参考文献

 第7章 大気電気とプラズマ   マーティン・D.アルトシューラー
   1.プラズマの定義
   2.プラズマの発生
   3.低層大気におけるプラズマの特性
   4.晴天時の電場
   5.雷雨と大気の電気回路
   6.雷の特性
   7.球電
   8.コロナ効果
   9.キツネ火
   10.竜巻中の雷
   11.塵旋風の電気現象
   12.火山雷
   13.地震が関係した空中の発光現象
   14.山頂の電気現象
   15.流星による電離と音
   16.反物質の微小隕石
   17.UFOのプラズマ理論
   18.プラズマUFO会議
     参考文献と注


 第8章 気球の種類,飛行特性,視認性   ヴィンセント・E.ラリー
   1.気球の種類
     ネオプレン性気球
     スーパープレッシャー気球
     ポリエチレン製気球
   2.視認性
   3.破棄とカットダウン
   4.気球の動き
   5.薄暮効果
   6.点灯した気球
   7.飛行の頻度
   8.UFOと誤認された気球
   9.結論

 第9章 機器によるUFOの探索   フレデリック・エーアU世
   1.序
   2.全天カメラ
   3.プレーリーネットワーク
   4.プレ−リーネットワークの評価
   5.トンボーの調査
   6.掃天フォトメータ
   7.ハレアカラT
   8.ハレアカラU
   9.レーダー
     気象レーダー
     流星レーダー
   10.イメージオルシコン
   11.プロトン磁力計
   12.レーザー
   13.観測結果とコメント
     計器によるいくつかの探査方法の概要と考察
     それほど価値のない既存の計器システム
   14.勧告

 第10章 統計分析   ポール・ジュリアン


 



  図表

第5部第2章
表1.プロジェクトブルーブックが受け取った月別のUFO報告の数.
表2.1952年の米国の主な雑誌におけるUFO記事の例.
表3.プロジェクトブルーブックがカテゴリー別に分類したUFO事例(1953〜1965年).
オブライエン報告

第6部第2章
表1.UFO関連の物体と現象の例.
表2.ゾンドWの大気圏突入を目撃した人が発想した内容.
表3.ゾンドWの再突入に関するコメント.
表4.空中の異常な物体に対する反応.

第6部第4章
表1.光学屈折率と大気圧,気温,波長の関係.
表2.標準状態の気圧と気温での気温の垂直勾配の値と光線の曲率の関係.
図1.スネルの屈折の法則.
図2.平均的な夏の日照率の分布.
図3.冬および夏における気温逆転の頻度の分布.
図4.冬および夏における視程が10km未満となる時間.
図5.標準大気における天頂角と天文屈折の関係.
図6.視幾何の限界角.
図7.放物線となる光線.
図8.像の逆転についての古典的説明.
図9.光の屈折による像の伸び.
図10.単一の光源が二つの像に分離する特殊な事例の幾何.
図11.蜃気楼発生中の連続的な日没あるいは月没の像.
図12.高高度の気温逆転層上層境界付近でのエネルギー密度の増加.
図13.干渉と集光領域における波面の簡略化した構造.
図14.天頂角に関連した屈折色分解.
図15.特殊な状況下における屈折による色分解の幾何.
図16.光散乱の幾何.
北大西洋 S.S.ブリストル・シティー.
南大西洋 S.S.テナガダス.
異常屈折 ポルトガル沖 発動機船オーストラリンド号.
異常屈折 北大西洋 ウェザー・レコーダー号.
異常屈折 イギリス海峡 ティマルー・スター号.
緑色閃光 南大西洋 MVドリアナ号.
紅海 MVグロスター号.
北太平洋 S.S.パシフィック・ノースウエスト号.
金星の星没 インド洋 S.S.ストラスネイバー号.
緑色・赤色閃光 南太平洋 MVケンブリッジ号.
木星の星没 マンナル湾 SSシルサ号.

第6部第5章
表1.電波の放射体,再放射体.
表2.鳥のレーダー断面積一覧.
表3.方向によるレーダー断面積の変化.
表4.3.2cmで測定された昆虫のレーダー断面積データ一覧.
表5.異いくつかの大気状態での等価地球半径.
図1.各種目標のレーダー断面積.
図2.周波数帯の一般的な呼称.
図3.地表面での反射が原因のレーダービームのゆがみ.
図4.鳥の年間平均高度分布.
図5.鳥の大気速度.
図6.PPI上に現れた人工衛星の多重掃引エコー.
図7.高度による電磁波の曲率.
図8.異なる屈折率勾配での曲率の変化.
図9.ダクトを通過する電波の経路.
図10.レーダービームの一部がダクティング.
図11.レーダーアンテナのローブパターン.
図12.反射エコーの位置関係.
図13.航空機から地表の反射体に反射して生じたゴーストエコーの航跡.
図14.地表の反射体から航空機に反射して生じたゴーストエコーの航跡.
プレート65.直径300n.m.をカバーするPPIの時間経過写真.
プレート66.強い高層ダクトの存在下のPPI表示.
プレート67.電波障害の例.
プレート68.異常伝播条件下での反射エコー.

第6部第6章
図1a.超音速航空機が空気中を通過してできる衝撃波.
図1b.ソニックブームの伝播.

第6部第9章
表1.国際地球観測年の全天カメラの特徴.
表2.プレーリーネットワークの調査.
表3. UBO目撃事例の光度計データ.
表4.観測間隔ごとに求めた各種数値.
表5.昆虫および鳥のレーダー断面積.
表6.大気中で目撃される物体の特徴.
図1.プレーリーネットワークの4台のカメラの配置.
図2.プレーリーネットワークの評価研究で使用したときの
   UFO目撃現場のサンプルマップ.
図3.ハレアカラT.大気光フォトメータの観測データ.
図4.ハレアカラT.大気光フォトメータの観測データ.
図5.ハレアカラTのUBOデータ.南半球から見た地球の図.
図6.ハレアカラUのUBOデータ.
図7.ハレアカラUのUBOデータ(図6の一部拡大).
図8.ハレアカラU,六つの光度計観測データの比較.
図9.ハレアカラTにおけるUBOデータ.
WSR-57 (商務省のデータ)

 



  著者略歴(1968年当時)

サミュエル・ローゼンバーグ
ドキュメンタリーのプロデューサー、ディレクター。フォトジャーナリストとして、ライフ誌で執筆、テレビでは12のドキュメンタリーを製作。政府関係のコンサルタントを務める。ワシントンとニューヨークで絵の個展を開催。1969年プレンティスホール社から自伝を刊行予定。

E.U.コンドン
物理学、天体物理学教授。コロラド大学の天体物理学研究所連合フェロー。米国規格基準局前局長。米国科学アカデミーメンバー。カリフォルニア大学で博士号(物理学)取得。プリンストン大学、ミネソタ大学、オーバーリン・カレッジ、ワシントン大学(セントルイス)で教職につく。ウェスティングハウス・エレクトリック研究次長。コーニング・グラス・ワークス研究室長。1941年、米国原爆開発計画を策定した委員会のメンバーに指名。上院原子力特別委員会、海軍原爆実験(1946年)の大統領評価委員会科学アドバイザー。米国芸術科学アカデミー、米国哲学協会、米国科学振興協会(1953年、会長)、科学における社会的責任のための米国協会(1968〜69年、会長)、スウェーデン、フランス、イギリスの科学組織に所属。

ハリエット・ハンター
本報告の編集スタッフ。米国大気研究センター(NCAR)センター長補佐、会議運営責任者を務めた。ミシガン州立大学、コロラド大学で学ぶ。現在はコロラド大学大学院学部長補佐。

マイケル・ウェルトハイマー
コロラド大学実験心理学教授。ハーバード大学で博士号取得。知覚心理学、生理学的心理学、異常心理学、社会心理学の研究、心理学理論の研究を従事。

ウィリアム・K.ハートマン
アリゾナ大学月惑星研究所助教授。1964-65年ニニンジャー隕石賞同時受賞者。前年、LESA研究(NASA)のためにノースアメリカン社のコンサルタント。アポロ以後の月研究を提言する地球科学パネルのメンバー。メキシコ、ハワイ、アリゾナの火山地域で月や惑星の写真分析の研究に従事。アリゾナ大学で博士号(天文学)取得。

マーク・W.ライン
コロラド大学医療センターの精神医学助教授。ハーバード大学で医学博士号取得。

ウィリアム・ヴィジー
スタンフォード研究所の気象学者。カリフォルニア大学で修士号(気象学)取得。数値予報、晴天乱流、衛星気象学、大気研究へのレーザーレーダーの応用研究。

ロイ・H.ブラックマー・Jr.
現在スタンフォード研究所で気象現象予測、観測改良の一連のプロジェクトを指揮。MITで理学修士(気象学)取得。

ウィリアム・ブルーメン
コロラド大学天体物理学助教授。MITで博士号(物理学)取得。米国大気研究センター(NCAR)で気象力学を研究。

マーティン・D.アルトシューラー
エール大学で天文学,物理学の博士号。米国大気研究センター(NCAR)で研究助手。1965年以後、コロラド大学天体物理学科のメンバー。

ヴィンセント・E.ラリー
現在、米国大気研究センターに勤務。気球や観測機器の実験を担当。MITで経営管理、技術管理の修士号取得。

フレデリック・エーアU世
ニューヨーク大学で理学修士(物理学)取得。ブルックヘブン国立研究所のコンサルタントを務め、共同研究に従事。最近ではコロラド大学で高エネルギー物理学の研究を行う。

ポール・ジュリアン
米国大気研究センターの研究スタッフ。シカゴ大学盟員教授。ペンシルバニア州立大学で博士号(気象学)取得。コロラド州ボールダーの高々度天文台のスタッフとして5年勤務。


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「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
「全米UFO論争史」 「ヨーロッパのUFO」


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