ヨーロッパのUFO

真の科学的UFO研究の模索


UFO搭乗者はスペーストラベラーなのか,タイムトラベラーなのか?
中欧の科学的UFO研究を30年以上に渡って牽引してきたドイツ人科学者
ルトビガーの世界的名著「The Best UFO Cases -Europe」の全訳


ヨーロッパのUFO
Author: Illobrand von Ludwiger
Title:The Best UFO Case - Europe
Publisher: National Institute for Discovery Science
Year of Publication:1998

異常大気・レーダー現象科学研究協会会長
イロブラント・フォン・ルトビガー 著
桑原 恭男 訳

日本語版発行 ブイツーソリューション
発売 星雲社
2007年12月発行 240ページ 
A5並製 本体価格 \3,800
ISBN 978-4434113611 C3044

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  ジョン・F.シェスラーの序文より

 本書はUFO報告の物理的証拠を見事に示している.ヨーロッパのUFO事件に焦点を当てているが,それを補う形で他の地域の情報も使われている.本書は,科学的発見の過程に多大な関心を持つ学者に,注目される内容となっている.
 通常の方法では説明できず,異常性が高く,信頼できるUFO目撃が50年以上続いていて,世界中の人々は実際に不思議な出来事が起きているのだと確信している.あらゆる世代の様々な背景をもつ人々が,UFOのことをよく知っており,目撃した人も多い.
 一方,UFO研究や調査に関わっていない多くの科学者には,全てのUFO報告は悪戯,球電,自然現象の誤認,機密の航空機である,という主張を,根拠なく受け入れる傾向がある.そういう主張が,世間と科学界の間に溝をもたらしている.
 科学界の反UFO的態度の要因の1つに,タブロイド紙がある.現実離れした奇妙な話や,一面を飾るエイリアンベイビーを抱く米国大統領夫人の写真には笑ってしまう.しかしそんな話は科学的研究とは無縁である.そういった話が,UFO報告を調べても科学的知識が得られるはずもなく,心理学や認知学の対象でしかない,という信念を,科学界に抱かせる働きをしている.
 新しいUFO事件が表に出てきても,UFO研究50年の業績(優れた民間の,または政府機関の研究者,科学者が,膨大な時間をかけて行った研究)に目を向けられることはほとんどない.過去の業績に日が当たらないのは,科学界がそのような研究を認めておらず,新規参入しようとする科学者がアクセスして,新しい理論に基づいて豊富な情報を評価できる,世界規模のデータベースを管理する組織がないからである.それで,UFOは以前と変わらず謎のままである.
 幸いなことに,20世紀の最後の10年間に,多くの組織や研究者が,科学界へ情報を提供するために,歴史的なUFO情報を蓄積し,文書にしている.重要な役割を果たしたのは,発見科学総合研究所(NIDS),科学探求学会(SSE),相互UFOネットワーク(MUFON),UFO研究センター(CUFOS),UFO研究基金(FUFOR)等の優れた組織である.
 それに関わった研究者の1人が,イロブラント・フォン・ルトビガーである.ルトビガーは,ヨーロッパのUFOデータベースを基に,ヨーロッパにおけるUFO活動の“最良の証拠”を1冊の本にまとめるという困難な作業(本書)を引き受けた.本書のおかげで,米国,南米,オーストラリア,日本や他の地域のUFOの活動との比較研究が可能となったという点で,本書の価値は非常に高いと言える.
 ルトビガーは,信頼できる絵をつなぎ合わせるのに必要な科学的素養を有している.本書は,長期に渡るUFO問題の性質を示すために,非常に古いUFO事例の話から始めている.文献によく登場する軍や民間航空機のUFO遭遇事例も取り上げられている.
 UFOの多様な形状(円盤形,卵形,葉巻形,星形等)についての章には,調査前に描かれた絵や,撮影された写真が掲載されている.彼は1つの章を三角形UFOにあて,1989〜1991年にベルギーで発生した目撃ウェーブを詳述している.このウェーブでは,異常な物体が100名ほどに目撃されたこともある.目撃者の報告は全部で3,500件にも及んだ.
 物理学者であれば,UFOの構造,地面に残された痕跡,UFOが引き起こした電磁障害,目撃者への影響に関する報告に興味があるかもしれない.それらの情報でもまだ科学的探求心を刺激するには不十分だというなら,ルトビガーが行ったレーダーおよびレーダー・目視UFO事例の調査はどうだろうか.この調査では詳細な証拠が提供されており,科学的探求心を刺激されるはずである.彼は,異常な天候がレーダーUFOの原因であるという通説を完全に退け,固体の目標とゴーストエコーの違いを明確に説明している.
 通常科学の枠組みに囚われない理論に関心のある人々のために,ルトビガーはこれまで出された様々なUFOの起源についての仮説を,うまく要約している.データカタログや統計分析の章は,本書の情報を申し分なく補完しており,仮説の章を熟考する際の材料を提供している.
 イロブラント・フォン・ルトビガーは,ヨーロッパのUFOの状況を見事に説明してくれた.彼は科学者,研究者,調査員の優れた特性を全て兼ね備えていると言えよう.
彼は,豊富な各章の参考文献で本書を結んでいる.読者はそこから情報源をたどることができる.
 私は,本書がきっかけとなり,近い将来,他の地域におけるUFOの活動についても,同様の書籍が出版されることを望んでいる.

1998年8月
コロラド州リトルトン
ジョン・F.シェスラー

 



  目次(リンクをクリックするとその一部が読めます)


    謝辞
    推薦の言葉  発見科学総合研究所
    発見科学総合研究所について
    序文  ジョン・F.シェスラー
         ブルー・マカビー
         リチャード・ヘインズ


 第1章 過去のUFO事例
   1. 1 フランス,ドイツ,英国の歴史的事例(16〜18世紀)
   1. 2 フーファイターとミラクル兵器
   1. 3 ヨーロッパ上空のゴーストロケット
   1. 4 ヨーロッパで発生した有名なUFO事例

 第2章 様々なUFOの形状
   2. 1 フランクフルト近郊のメッセルで目撃されたドーム付円盤
   2. 2 ローゼンハイム市近郊ホッホリース上空の卵形物体
   2. 3 イェムグム上空の葉巻形物体
   2. 4 インゴルシュタット上空の星形物体
   2. 5 プラウエン事例

 第3章 三角形のUFO

 第4章 同一形状のUFO

 第5章 UFO着陸・搭乗者目撃事例
   5. 1 コンタクトなしの搭乗者目撃
   5. 2 ランゲンアルゲン・コンスタンス湖事例
    5. 2. 1 コンスタンス湖上空の輝く物体
    5. 2. 2 バルデック・カフェ上空の物体
    5. 2. 3 異様な生物の出現
    5. 2. 4 他の目撃者
    5. 2. 5 事件後の影響
    5. 2. 6 物理的な調査
    5. 2. 7 心理学的調査
    5. 2. 8 退行催眠セッション
    5. 2. 9 精神科医の評価
    5. 2. 10 メンインブラックの出現

 第6章 UFOが残した金属片
   着陸現場の特定
   金属製の物体
   角の摩滅の跡

 第7章 UFOの証拠となる写真
   7. 1 グライフスバルトの光体
   7. 2 ギゼッペ・ルシフォーラが撮影したUFO
   7. 3 有名なナゴラの写真

 第8章 レーダーが捕捉したUFO
   8. 1 現在の防空システムにおける識別不能物体の扱い
   8. 2 レーダー画像分析の失敗
   8. 3 中欧の航空管制で使用される合成ディスプレイ
   8. 4 識別不能レーダー航跡の特徴
   8. 5 無秩序な飛行経路
   8. 6 知性的な挙動を示す航跡
   8. 7 軍のレーダー監視主任が三角形UFOを目撃

 第9章 高感度磁場検出器

 第10章 UFOが周囲に及ぼす影響
   10. 1 データカタログと統計分析
   10. 2 デンマークで同じ車が2度遭遇した電磁障害
   10. 3 フランス,トランス・アン・プロバンスにおけるUFO着陸後の物理的影響


原書表紙
 第11章 UFOの起源
   11. 1 概論
   11. 2 地球外仮説
   11. 3 心理学的現象,超常現象説
   11. 4 精神投影説
   11. 5 構造の歪み理論(TST)
   11. 6 地光仮説
   11. 7 平行宇宙説
   11. 8 異次元仮説
   11. 9 プロジェクター理論
   11. 10 タイムトラベル説
   まとめ

    附録A オルセンの信頼度指数
    附録B MUFON-CESの目標と活動
       1)画像分析班 2)レーダー分析班
       3)現地調査班 4)心理学研究班
       5)理論研究班 6)データ処理班

    訳者あとがき
    参考文献
    索引
    略歴


 



  著者略歴

著者 イロブラント・フォン・ルトビガー(Illobrand von Ludwiger)
 1937年,シュテッチン(元ドイツ)生まれ.父,ヘルベルト・フォン・ルトビガーは物理学者で,30代のとき,ベルリンでヘルマン・オーベルトやベルナー・フォン・ブラウンとロケットの実験を行っていた.I.フォン・ルトビガーは1944年から学校に通い,1955年,アビトゥール(大学入学資格試験)に合格,西ドイツのシュテンダールの高校を卒業した.1958〜1964年,ハンブルグ大学,エアランゲン・ニューンベルグ大学で,数学,物理学,化学,哲学,天文学を学ぶ.1962〜1964年,バンベルグ天文台に所属し,学位取得.1964年,ミュンヘン近郊のオットーブルンの航空宇宙企業ベルコウ社(現ダイムラーベンツ・エアロスペースAG[DASA])でシステムアナリストとして勤務.
 ルトビガーは,様々なプロジェクトに関わってきた.1966年,オーストラリア・ウーメラのELDO(欧州ロケット開発機構)に所属し,ELDOロケットの打ち上げに関わった.人工衛星故障自動検出プログラム,航空路衝突回避プログラム,巡航ミサイル誘導・制御プログラムを開発.長年,新型輸送システム・交通シミュレーションのプロジェクトマネージャーを務める.1970〜1975年,ゲッチンゲン大学で「リラの曲率テンソルと重力のベクトル−テンソル理論」を研究.リラ教授が亡くなり,この博士論文は完成しなかった.彼は会社のために,両腕がなく盲目で耳もほとんど聞こえなかったドイツの物理学者ブルクハルト・ハイム(1925〜2001年)の“統一場の幾何学的量子論”の物理的応用を分析した.1997年,兵器システムのハイテク防護・欺瞞システムの研究に従事. 1974年,未確認飛行物体の研究を目的とした学会を設立.相互UFOネットワーク中欧支部である(1996年からMUFON-CES[異常大気・レーダー現象科学研究協会]に改称).フォン・ルトビガーは,UFO関連の多くの著書,論文,CDROMの執筆,編集を行っており,1990年,スイスのベルン大学でヘドリ賞を受賞している.
 1997年,ニューヨーク州ポカンチコで行われたロックフェラー財団主催のUFO会議に参加.科学的UFO研究者8人が一流の科学者たちにUFOの物理的証拠を提示して議論が行われたが,著者はレーダーUFO事例を取り上げた.2002年から99歳の数学者と共同で数学の哲学「The instrumental introduction of naturally numbers」を研究.2005年,ブルクハルト・ハイムに関する著書「Das neue Weltbild des Physikers Burkhard Heim(物理学者ブルクハルト・ハイムの新しい世界観)」を執筆.2006年,科学に関するDVDとオーディオカセット「Anomalien in der Wissenschaft(科学の異常性)」を製作.
 本書は,著者の長年の研究成果をまとめたものであり,英語,ドイツ語,フランス語,ロシア語,ブルガリア語版が発行されている.

 



  参考文献

MUFON-CES Reports

 

1. 1975: Die Erforschung unbekannter Flugobjekte - Versuch einer wissenschaftlichen Auseinandersetzung mit dem UFO-Phaenomen,  6 articles, 103 pages.

2. 1976: Ungewoehnliche Gravitationsphaenomene - Empirische Erfassung und theoretische Untersuchungen beobachteter Schwerkraft-Stoerungen im atmosphaerischen Umfeld unidentifizierbarer Flugkoerper, 6 articles, 221 pages.

3. 1977: Unerklaerliche Himmelserscheinungen aus aelterer und neuerer Zeit - Berichte mit Analysen und Verfahren zur Beurteilung historischer Quellen, fotographischer Aufnahmen und statistischer Aussagen, 7 articles, 317 pages.

4. 1978: Strahlenwirkungen in der Umgebung von UFO's - Zeugenvernehmungen, Fotoanalysen und Untersuchungen der Schaedigungen durch unerklaerliche Lichterscheinungen sowie ueber deren moeglichen Strahlungsmechanismus, 6 articles, 370 pages.

5. 1979: Zur Frage der Tatsaechlichkeit von Kontakten zu Ausserirdischen in Altertum und Vorzeit - Ein neuer Weg zur Beweisfuehrung anhand eines Vergleichsverfahrens zur Psychologie ploetzlicher Kontakte sowie altindischer Schriften ueber Luft- und Raumfahrt, (only author: Lutz Gentes), 94 pages.

6. 1979: Ungewoehnliche eigenschaften nichtidentifizierbarere Lichterscheinungen - Untersuchungen ueber "Foo Fighters" im 2. Weltkrieg sowie ueber "Solid Lights" und ueber Radar - Registrierungen unidentifizierbarer Objekte; Ansaetze zu einer einheitlichen Theorie unidentifizierbarer Lichter aufgrund der Heimschen einheitlichen Quantenfeldtheorie, 6 articles, 360 pages.

7. 1981: Automatische Registrierung unbekannter Flugobjecte - Private und militaerische Prujekte; erste Analysen physikalischer Wirkungen aufgrund gelungener instrumenteller Aufzeichnungen, (only author: Adolf Schneider), 270 pages.

8. 1981: Offizielle Untersuchungsberichte der Russen und der Amerikaner ueber unidentifizierbare Himmelserscheinungen - US Air Force Project BLUE BOOK Material; Berichtsmanuskripte aus der USSR und polizeiliche UFO-Ermittlungen in Bayern, 6 articles, 400 pages.

9. 1983: Seltsame Flugobjekte und die Einheit der Physik - UFO-Sichtungen in Deutschland; Berichte der US-Geheimdienste und -Astronomen; Vorschlaege zur Datenverarbeitung; Antigravitation in der Elementarteilchen-Physik, 9 articles, 460 pages.

10. 1989: Unerwunschte Entdeckungen im Luftraum - UFO-Massensichtungen 1983-84; freigegebene US-Geheimdienstdokumente; Wissenschafts-Journalismus und das UFO - Thema; Analysen  der Zeugenglaubwüerdigkeit und Echtheit von Fotos; Einsatz von Hypnose bei UFO-Abductionen, 14 articles, 512 pages.

11, 1993: Interdisciplinary UFO Research - Analysis of Photos and Video Film and of Abduction Cases in Germany; The Generation of Antigravity; in English, 9 articles, 293 pages.


 


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