米下院UFOシンポジウムマクドナルド博士(公聴会用論文)
>なぜ天文学者がUFOを目撃しないのですか?

なぜ天文学者がUFOを目撃しないのですか?

 私は多くの人からこの質問を投げかけられてきた.その中には天文学者も多数含まれる.以前有名な天体研究所の人たちの前で話をしたとき,なぜ天文学者がUFOを目撃しないのか,所長から尋ねられた.その部屋にいた所員の中で,観測中に奇妙な物体を見たという天文学者が2名いたのだが,私に話した目撃談を公にしないでほしいと頼まれた.その気持ちは私にも理解できるが,困ったことでもある.
 このように,専門家が正体不明の物体を目撃しても,報告するのを非常にいやがるというのは,思った以上によくある話である.同僚から聞いた話だが,ある著名な物理学者が西部のある山でハイキング中,金属製のような円盤を発見し,双眼鏡で観察,物体が上昇するのを目撃したということだった.この極めて重要な目撃情報を聞いて,私は何か月もこの話を本人から直接取材しようとしたのだが,彼は私に話したがらなかった.
 NICAPに,ある大きな技術系企業の有力幹部から報告があったが,立場上名前は公表しないでくれと言われている.その証言により信憑性が大きく高まるような立場の目撃者は,往々にして目撃を証言するのをためらうことがわかっている.そのことで,自分がすべてを失うとでも思っているようだ.
 私は,ベテランの定期便パイロットに,彼が10年程前に関わったはずのUFO目撃事件の話をした.この事件の公式“説明”が出されているが,彼には何も話してもらえなかった.多くの人々が目撃したことを隠しているが,そのことに関する社会心理学的な研究が数年以内に増えてくることだろう.
 なぜ天文学者がUFOを目撃しないのかという本題に戻ると,これについては定量的な考察を行う必要がある.最近の数字では,米国天文学会の会員数は,約1,800名,これに対し我が国には,350,000人の法執行官がいる.プロの天文学者の200倍近い数の警察官,保安官代理,および州警察官などがいるのだから,天文学者よりも法執行官からのUFO情報が多いのもうなずける.
 それに,天文学者は長時間空を観察しているという考えも間違っている.一般の警察官のほうが,プロの天文学者よりもその機会は多いはずだ.
 このように考慮すべき材料があるのだが,それでも天文学者,アマチュア天文家の目撃報告が多数記録されている.特に,プロの天文学者より圧倒的に数の多いアマチュア天文家からの報告が多い.
 それではいくつかの事例を考察していこう.

        1.ケース20.ラスクルーセス,1949年8月20日 考察
        2.ケース21.ニューメキシコ州フォート・サムナー,1947年7月10日 考察
        3.ケース22.メイン州ハーバーサイド,1947年7月8日 考察
        4.ケース23.ラトビア,オグラ,1965年7月26日 考察
        5.ケース24.コーカサス,キスロヴォーツク,1967年8月8日 考察
        6.ケース25.アリゾナ州フラッグスタッフ,1950年5月20日 考察

7.プロおよびアマチュア天文学者による目撃は他にも多数記録されている.ヴァレ17)は 1957年11月8日,フランスのツールーズ天文台での観測について詳しく考察している.その天文台の小型望遠鏡で,J.L.シャピュイが短い軌跡を伴うはっきりした輪郭をもった黄色い楕円形の物体を観測したのである.流星では考えられない移動が,別の3か所からも目撃されており,その目撃者全員が説明不可能な現象と考えていた.
 ホールは天文学者による未確認物体の目撃を9例紹介しているが10),特筆すべきものもいくつか含まれている.ルッペルトによれば,公式のUFO調査プログラムと契約している天文学者が,1952年夏,45人のアメリカ人天文学者からUFOについて話を聞いたところ,そのうち5人(11%)がUFOを見たことがあると述べている5).母集団は小さいが,その比率はUFO目撃者の対人口比率を大きく上回っている.このことは,天文学者たちが報告している以上にUFOを目撃している可能性があることを示唆している.
 最近出版された参考文献7には,1952年の世論調査に関する興味深い情報が掲載されている.天文学者が当時次のように書いている(参考文献7,8).
「……確かに,天文学者は評判を非常に気にするあまり,UFOのことは話したくないと考えている.『天文学者がフライングソーサーを目撃した』といったことが全国版新聞のヘッドラインを飾っただけで,同僚からいかがわしい天文学者の烙印を押されるのに十分であろう」
 残念なことであるが,我々科学者は自分たちが思っているほどオープンマインドではなく,臆病で自立できていない存在なのである.科学者を説得して,信頼できるUFO目撃報告を完全に公開するのは非常に難しい.私自身の経験から言うと,この点に関して天文学者は,他の科学者よりも神経過敏だと思う.
 いずれにしても,これまで紹介してきた事例は天文学者も未確認飛行物体を目撃していることを示しているのである.


「米下院UFOシンポジウム」収録のマクドナルド博士の論文



  ◆ 未確認飛行物体に関する公聴会用論文
    
    目的と背景
    UFOの問題の従来にない特質
    いくつかの代替仮説
    インタビューおよび扱ったUFO事例の種類
        1.とりあげた事例の情報源
        2.目撃証言の特徴
        3.目撃者の信頼性
        4.目撃者の観察の信憑性
        5.目撃者が前もってUFOの知識があった場合に生じる問題
        6.現在関心が持たれているUFO報告の種類    
          a.夜間の発光体(NICAPのスタッフが“DL(夜間怪光)”
            と呼んでいるもの).

          b.翼のない円盤および葉巻型物体の至近距離での目撃.
          c.夜間近距離で目撃される静止滞空する発光物体.
            規則的あるいは不規則に点滅する場合がある.

          d.レーダーで捕捉された物体.
            地上あるいは飛行中の航空機から同時に目撃される.

        7.よくある疑問    
        8.有用なUFOの資料
    なぜパイロットはUFOを目撃しないのですか?
        1.ケース1.アイダホ州ボイシ,1947年7月4日 考察
        2.ケース2.アラバマ州モントゴメリー,1948年7月24日 考察
        3.ケース3.アイオワ州スーシティ,1951年1月20日 考察
        4.ケース4.ミネソタ州ミネアポリス,1951年10月11日 考察
        5.ケース5.ペンシルバニア州ウィロー・グローブ,1966年5月21日 考察
        6.ケース6.ケベック州東部,1954年6月29日 考察
        7.ケース7.インディアナ州ゴーシェン,1950年4月21日 考察
        8.ケース8.バージニア州ニューポートニューズ,1952年7月14日 考察
    UFOの目撃者がいつも一人なのはなぜですか? 
    どうして多数の目撃者が存在しないのですか?

        1.ケース9.ニューメキシコ州ファーミントン,1950年3月17日 考察
        2.ケース10.ワシントン州ロングビュー,1949年7月3日 考察
        3.ケース11.ユタ州ソルトレイクシティ,1961年10月3日 考察
        4.ケース12.ワシントン州モーゼス湖ローソンAFB,1953年1月8日
          考察
        5.ケース13.サバンナ川AEC(原子力委員会)施設,1952年夏 考察
        6.ケース14.コロラド州トリニダード,1966年3月23日 考察
        7.ケース15.カリフォルニア州レッドランズ,1968年2月4日 考察
    UFOが都市部ではなく,辺鄙な場所での目撃ばかりなのはなぜですか?
        1.ケース16.ニューヨークシティ,1966年11月22日 考察
        2.ケース17.カリフォルニア州ハリウッド,1960年2月5,6日 考察
        3.ケース18,テキサス州ベイタウン,1966年7月18日 考察
        4.ケース19.オレゴン州ポートランド,1947年7月4日 考察
    なぜ天文学者がUFOを目撃しないのですか?    
        1.ケース20.ラスクルーセス,1949年8月20日 考察
        2.ケース21.ニューメキシコ州フォート・サムナー,1947年7月10日 考察
        3.ケース22.メイン州ハーバーサイド,1947年7月8日 考察
        4.ケース23.ラトビア,オグラ,1965年7月26日 考察
        5.ケース24.コーカサス,キスロヴォーツク,1967年8月8日 考察
        6.ケース25.アリゾナ州フラッグスタッフ,1950年5月20日 考察
    気象学者や気象観測員は,空を見る機会が多いのに,
    なぜ彼らはUFOを目撃しないのですか?

        1.ケース26.バージニア州リッチモンド 1947年4月 考察
        2.ケース27.アリゾナ州ユマ,1953年2月4日 考察
        3.ケース28 南アフリカ,ケープ州アピントン 1954年12月7日 考察
        4.ケース29.ニューメキシコ州アレイ,1949年4月24日 考察
        5.ケース30.南極,アドミラルティ湾,1961年3月16日 考察
    気象観測用気球や調査用気球で
    たいていのUFOは説明できるのではないでしょうか?

        1.ケース31.ニュージャージー州フォートモンマス,1951年9月10日
          考察
        2.ケース32.ワシントン州オデッサ,1952年12月10日 考察
        3.ケース33.ワシントン州ロザリア,1953年2月6日 考察
        4.ケース34.マサチューセッツ州ボストン,1954年6月1日 考察
    なぜ,UFOはレーダーに捕捉されないのですか?
        1.ケース35.日本,福岡,1948年10月15日 考察
        2.ケース36.オーストラリア,ナウラ,1954年9月 考察
        3.ケース37.南アフリカ,ケープタウン,1953年5月23日 考察
        4.ケース38.ワシントンD.C.,1952年7月19日 考察
        5.ケース39.ミシガン州ポートヒューロン,1952年7月29日 考察
    UFOが本当に存在するのなら,
    なぜUFOの写真がたくさん撮影されていないのですか?

        1.一般的な考慮事項
        2.ケース40.カリフォルニア州コーニング,1967年7月4日 考察
        3.ケース41.エドワーズ空軍基地,1957年5月3日 考察
    もしUFOが実在するならば,
    何らかの物理的影響を残すはずではないですか?

    UFO現象に危険性や敵性を示す証拠はありますか?
        1.車を停止させたケース
        2.軽度の被爆
        3.深刻な外傷
        4.あからさまな敵意を示すまれな例
        5.UFOと上記以外の電磁波による障害
    UFO分析における大気物理学の誤用
        1.概説
        2.気象光学による説明
          蜃気楼幻日映日雲の反射/逆転
        3.大気電気
        4.レーダーの伝播異常
    まとめと提案
    参考文献


「米下院UFOシンポジウム」収録論文執筆者


ハイネックマクドナルドカール・セーガンホールハーダー
ベイカーウォーカーメンゼルスプリンクル
ヘンダーソンフリードマンシェパードソールズベリー


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