米下院UFOシンポジウムマクドナルド博士(公聴会用論文)
>もしUFOが実在するならば,何らかの物理的影響を残すはずではないですか?

もしUFOが実在するならば,何らかの物理的影響を残すはずではないですか?

 この場合もやはり,答えは,質問の通りUFOは物理的現象を引き起こすということである.様々な“物理的影響”を引き起したことを示す信頼性の高い事例がある.車の停止は,重要な事例のひとつである.UFOに接近したとき,あるいはUFOが接近してきたときに,車やトラックに起きたイグニッションやライトの故障は,UFOに関係したものだとよく言われている.世界中で起きたこの種の事例,60例以上を容易に示せるだろう.
 UFO目撃と関連したラジオやTVの受信障害は何度も報告されている.UFOが着陸したとされる場所に,穴や芝のくぼみ,あるいは植物が倒されたパターンが見つかった事例もある.このような事例の多くは,目撃者の信頼性が高く,でっち上げの可能性は低い.残留物が検出されたという事例がわずかに記録されているが,研究所の分析による裏付けはなされていない.
 観測された状況を考えれば発生するはずなのに,発生が報告されていない物理的現象がある.衝撃波に関するものである.高速で移動しているUFOが,衝撃波による爆音を伴っていたという事例が,2,3件ほど記録にある.しかし,超音速が観測されながら,衝撃波が報告されていない事例が非常にたくさんあるのだ.
 飛び去るUFOの“マッハコーン”の内側後方に報告した目撃者がいたとすれば,説明できないこともない.しかし,それだけではまだ不十分である.もしUFOが固体の物体で地面や枕木を押しつけることが可能なら,そして信頼できる目撃者がよく報告しているように数秒で視界から飛び去ってしまうのであれば,衝撃波が発生しなければおかしいと考える人もいる.衝撃波の問題については説明がついていない状態である.
 具体的なことはわからないが,衝撃波を発生させないメカニズムがあるのかもしれない,と推測する以外にない.おそらく,まったく違った考えをしなければ答えは得られないのかもしれない.
 もし“物理的影響”の中に生理学的なものも含めると,さらに異常な事例は多くなる.UFOに近距離で遭遇した目撃者がひりひりする感覚やしびれを訴えることがたびたびあった.UFO目撃者が完全に麻痺を起こした事例も多数ある.
 もちろん,これは恐怖から生じた心理的なものかもしれない.しかし,目撃者が最初にそういう症状に気づき,その後で異常な出来事の発生を認識した事例がいくつか報告されているのである.
 皮膚の発赤,加熱が多数報告されており,変わったやけどの例がいくつか記録されている.これらの生理的影響は非常に多様で一般化するには注意が必要であるが,ひりひりする感覚や麻痺が他の生理的影響よりも数多く報告されている点は興味深い.
 UFOがどういう現象を起こしているのか知らない人は,UFOに近距離で遭遇して麻痺したというような話はバカげていると思うかもしれない.懐疑主義者は,そんなことがあれば,マスコミや医学の研究者が見逃すはずはないだろうと言うかもしれない.
 私自身の調査では,そういう批判は間違っていることがはっきりしている.重い障害を受けた事例,障害を受けたが目撃者と家族は同情されるどころか嘲笑の的となり,黙ってこの事件は忘れようと考えるようになった例を知っている.
 私もまた,調べ始めた頃は,そういう話を信じがたいと考えていた.私より経験の豊富なUFO研究者たちにそんなことを言ったら,そう思うのも無理はない,という意味を含んだ笑みを浮かべたであろう.
 理解しやすいよう具体的な実例を挙げたほうがよいのだが,スペースの都合上,次の項で述べる一部のみにさせていただく.


「米下院UFOシンポジウム」収録のマクドナルド博士の論文



  ◆ 未確認飛行物体に関する公聴会用論文
    
    目的と背景
    UFOの問題の従来にない特質
    いくつかの代替仮説
    インタビューおよび扱ったUFO事例の種類
        1.とりあげた事例の情報源
        2.目撃証言の特徴
        3.目撃者の信頼性
        4.目撃者の観察の信憑性
        5.目撃者が前もってUFOの知識があった場合に生じる問題
        6.現在関心が持たれているUFO報告の種類    
          a.夜間の発光体(NICAPのスタッフが“DL(夜間怪光)”
            と呼んでいるもの).

          b.翼のない円盤および葉巻型物体の至近距離での目撃.
          c.夜間近距離で目撃される静止滞空する発光物体.
            規則的あるいは不規則に点滅する場合がある.

          d.レーダーで捕捉された物体.
            地上あるいは飛行中の航空機から同時に目撃される.

        7.よくある疑問    
        8.有用なUFOの資料
    なぜパイロットはUFOを目撃しないのですか?
        1.ケース1.アイダホ州ボイシ,1947年7月4日 考察
        2.ケース2.アラバマ州モントゴメリー,1948年7月24日 考察
        3.ケース3.アイオワ州スーシティ,1951年1月20日 考察
        4.ケース4.ミネソタ州ミネアポリス,1951年10月11日 考察
        5.ケース5.ペンシルバニア州ウィロー・グローブ,1966年5月21日 考察
        6.ケース6.ケベック州東部,1954年6月29日 考察
        7.ケース7.インディアナ州ゴーシェン,1950年4月21日 考察
        8.ケース8.バージニア州ニューポートニューズ,1952年7月14日 考察
    UFOの目撃者がいつも一人なのはなぜですか? 
    どうして多数の目撃者が存在しないのですか?

        1.ケース9.ニューメキシコ州ファーミントン,1950年3月17日 考察
        2.ケース10.ワシントン州ロングビュー,1949年7月3日 考察
        3.ケース11.ユタ州ソルトレイクシティ,1961年10月3日 考察
        4.ケース12.ワシントン州モーゼス湖ローソンAFB,1953年1月8日
          考察
        5.ケース13.サバンナ川AEC(原子力委員会)施設,1952年夏 考察
        6.ケース14.コロラド州トリニダード,1966年3月23日 考察
        7.ケース15.カリフォルニア州レッドランズ,1968年2月4日 考察
    UFOが都市部ではなく,辺鄙な場所での目撃ばかりなのはなぜですか?
        1.ケース16.ニューヨークシティ,1966年11月22日 考察
        2.ケース17.カリフォルニア州ハリウッド,1960年2月5,6日 考察
        3.ケース18,テキサス州ベイタウン,1966年7月18日 考察
        4.ケース19.オレゴン州ポートランド,1947年7月4日 考察
    なぜ天文学者がUFOを目撃しないのですか?    
        1.ケース20.ラスクルーセス,1949年8月20日 考察
        2.ケース21.ニューメキシコ州フォート・サムナー,1947年7月10日 考察
        3.ケース22.メイン州ハーバーサイド,1947年7月8日 考察
        4.ケース23.ラトビア,オグラ,1965年7月26日 考察
        5.ケース24.コーカサス,キスロヴォーツク,1967年8月8日 考察
        6.ケース25.アリゾナ州フラッグスタッフ,1950年5月20日 考察
    気象学者や気象観測員は,空を見る機会が多いのに,
    なぜ彼らはUFOを目撃しないのですか?

        1.ケース26.バージニア州リッチモンド 1947年4月 考察
        2.ケース27.アリゾナ州ユマ,1953年2月4日 考察
        3.ケース28 南アフリカ,ケープ州アピントン 1954年12月7日 考察
        4.ケース29.ニューメキシコ州アレイ,1949年4月24日 考察
        5.ケース30.南極,アドミラルティ湾,1961年3月16日 考察
    気象観測用気球や調査用気球で
    たいていのUFOは説明できるのではないでしょうか?

        1.ケース31.ニュージャージー州フォートモンマス,1951年9月10日
          考察
        2.ケース32.ワシントン州オデッサ,1952年12月10日 考察
        3.ケース33.ワシントン州ロザリア,1953年2月6日 考察
        4.ケース34.マサチューセッツ州ボストン,1954年6月1日 考察
    なぜ,UFOはレーダーに捕捉されないのですか?
        1.ケース35.日本,福岡,1948年10月15日 考察
        2.ケース36.オーストラリア,ナウラ,1954年9月 考察
        3.ケース37.南アフリカ,ケープタウン,1953年5月23日 考察
        4.ケース38.ワシントンD.C.,1952年7月19日 考察
        5.ケース39.ミシガン州ポートヒューロン,1952年7月29日 考察
    UFOが本当に存在するのなら,
    なぜUFOの写真がたくさん撮影されていないのですか?

        1.一般的な考慮事項
        2.ケース40.カリフォルニア州コーニング,1967年7月4日 考察
        3.ケース41.エドワーズ空軍基地,1957年5月3日 考察
    もしUFOが実在するならば,
    何らかの物理的影響を残すはずではないですか?

    UFO現象に危険性や敵性を示す証拠はありますか?
        1.車を停止させたケース
        2.軽度の被爆
        3.深刻な外傷
        4.あからさまな敵意を示すまれな例
        5.UFOと上記以外の電磁波による障害
    UFO分析における大気物理学の誤用
        1.概説
        2.気象光学による説明
          蜃気楼幻日映日雲の反射/逆転
        3.大気電気
        4.レーダーの伝播異常
    まとめと提案
    参考文献


「米下院UFOシンポジウム」収録論文執筆者


ハイネックマクドナルドカール・セーガンホールハーダー
ベイカーウォーカーメンゼルスプリンクル
ヘンダーソンフリードマンシェパードソールズベリー


「米下院UFOシンポジウム」ダイジェスト「米下院UFOシンポジウム」のご注文



SSPCのUFO書籍・資料
「レーダー捕捉UFO事例の研究」 「未確認飛行物体に関する報告」 「コンドン報告第1巻」
「ブルーブックケースファイル」 「米下院UFOシンポジウム」 「コンドン報告第3巻」
「全米UFO論争史」 「ヨーロッパのUFO」


メルマガ「UFO研究WEBマガジン」
テーマはUFOの学術的研究.毎号,海外の優れた研究をご紹介.


販売書籍資料室書評リンク

UFO書籍のSSPC TOPへ